大企業とイノベーション
大企業が2017年に自社のファンドなどを通じてCVC投資した額は過去最高の681億円に達し、5年前の27倍に増えたらしい。
コンプライアンスがうるさくなってきている今、大企業が自社でイノベーションを起こすことが難しくなっているように思う。
クリエイティブな作業は規制を受けにくいベンチャー企業が行い、そこで生み出された新製品・サービスを高額で買取り、大量生産・低価格を実現した汎用品により市場に広く浸透させる大企業にプレイヤーが二分される。
しかも大企業同士で新製品・サービスは取り合いとなった結果、買取価格は釣り上げられていく。
そうした新製品・サービスの持つ価値と買取価格が見合ったものか否か見極める能力は、生み出せる者にしかわからない気もする。
日本に限らず成熟した社会を持つ先進国において、多品種小量消費が前提のもと、買取価格に見合うだけのビジネスにつなげられる大企業はどれだけあるだろうか?
大企業のビジネスリスクはさらに高まることになるだろう。
それに伴い、成熟した社会における働き方も多様化していくに違いない。